大学院を修了した先生のインタビュー

大学院を修了した先生のインタビュー ~大学院の勉強について~

日本の大学院進学について関心を持ち、色々な情報を集めている方も多いと思います。日本の大学院で勉強するということはどのような経験をするのか、日本の大学院進学を検討している方々のために今回は、大学院を修了した東京ギャラクシー日本語学校の先生にインタビューをしました。
 東京ギャラクシーで、留学生の大学、大学院進学のために日頃から進学指導を行っている松川先生は、日本の国立大学大学院で修士課程を修了されました。実際に大学院で勉強をして、また長い間東京ギャラクシー日本語学校で大学院入試指導に携わっている先生なので、具体的でリアルな情報を細かく教えてくれました。

大学院進学を決めたきっかけを教えてください。

私の大学院の専攻は日本語教育です。高校生のときから日本語教師になろうと決めていました。大学では生涯教育を主専攻、日本語教育を副専攻で勉強していました。同じ大学には日本語教師になることを目標にして、本格的に準備をしている先輩たちが多くいました。大体の先輩は大学院に進学していたので、私も先輩たちの影響を大きく受けて大学院に行きました。
また、ボランティア活動等を通して外国人の子供の日本語教育にも関心を持ち、この分野の研究に貢献したいと思ったことも大学院に入学したきっかけになりました。

大学院での生活を通して、学んだことや身につけたことについて聞かせてください。

1)批判的思考力(critical thinking)と批判的読解力(critical reading)
大学院に入るためにも必要な力ですが、大学院では論文を作成したり討論しながら他の人の研究分野に接する機会が多くあり、この過程を通して批判的思考力と読解力を磨くことができました。自分の専攻分野とは違う内容でも論理的に考えて意見を提示しなければいけない状況になるときが多々あるので、自然と思考力と読解力が身につきました。現在、東京ギャラクシー日本語学校で大学院入試の授業を行うときも、専攻知識よりもむしろ大学院で培った批判的思考力と読解力が大きく役に立っています。

2)広い視野、友達や人脈
私が通っていた大学院の学生は年齢も国籍も様々でした。彼らと一緒に勉強しながら、貴重な経験をたくさんしました。大学院では、授業だとしても先生が必ず正解を持っているわけではありません。色々な人と一緒に、様々な角度から意見を提示して思考を深く広げることが重要です。多くの人と討論をすることで深く考える機会を持つ経験は、研究にも大きな影響を与えました。その他にも大学院では専攻分野の知識が身につくのはもちろん、調査・研究能力など学ぶことはたくさんあります。

大学院を修了した先生のインタビュー

東京ギャラクシー日本語学校で入試準備をして、見事日本の大学院に合格した学生の特徴はありますか?

1)研究しようとする分野が明確であった
2)研究しようとする分野が今まで経験してきたこと(大学の専攻、仕事やアルバイト、ボランティア活動)と関連があった
この1)と2)はどれくらい具体的に研究できるかに関連しています。
3)研究のために大学院に行こうとする意志が明確であった
就職するか大学院に進学するかを迷って大学院の入試準備をする人が時々いるのですが、大体の人が途中で大学院進学を諦めて就職を選択していました。
4)アカデミックな日本語の実力がある(大学院に合格する1年前に最低でもJLPT N2級レベルを持っていれば安心)
5)専攻知識が備わっている
6)分野によっては必要な英語の実力も備わっている

記憶に残る東京ギャラクシーの学生について聞かせてください。

  • 経済学専攻
  • 2018年10月 東京ギャラクシー入学当時、日本語実力はJLPT N2レベル
  • 2019年冬学期に速習Cクラス
  • 2019年7月に実施されたJLPTでN1に合格
  • 夏と冬に出願した大学院は不合格で大変な時期もあったが諦めずに努力し続け、英語の試験と経済の試験で高得点を取得。当時、1日10時間以上勉強していたとのこと。2020年2月下旬、最後の発表を待っていた大学院(MARCH)に見事合格!
  • 授業には常に積極的な態度で参加し、一緒に勉強していたクラスメイトにも良い刺激を与えていた
  • 大学院入学後も継続して努力を重ね、論文や学会の発表準備をしている
  • 最初は難しく感じても最後まで諦めずに努力する姿勢が重要

大学院進学について関心はあるけど悩んでいる方もいると思います。そんな方々にアドバイスをお願いします。

大学院に入りたいと思っている方たちに一番重要なことは強い意志です。大学院に合格するまで険しい道のりが続きますが、大学院に入学した後も一筋縄ではいかない生活になります。しかし、これらの過程を乗り越えれば、目の前に広がる景色は大きく違ってきます。大学院入試準備から大学院に合格して修了するまでに得るものは、他のところでは得ることができない経験でした。

大学院を修了した先生のインタビュー

どんな学生に大学院での勉強が合っていると思いますか?

✓意思が強い人
✓自ら論理的に考え、計画的に行動できる人
✓将来研究職に就こうとしている人(学校だけでなく一般企業で研究・調査に関連した職種を希望する人)
✓社会貢献のために研究をしようとする人
✓今までの研究や業務では解決できなかったことを、研究を通して解決しようとする人

日本の大学院でどんなことを身につけることができるのか疑問に思っていた方々が、今回のブログで大学院について少しでも知ってもらえればいいなと思います。大学院進学を目標に東京ギャラクシー日本語学校に入学すれば松川先生はもちろん、大学院を修了された日本人の先生の授業を受けて、進学に必要なことを細かく学び、受験に備えることができます。ただし、大学院入試対策授業は毎年1月、4月に開講され、JLPT N2級以上の実力がないと入試準備をすることができません。日本に行く前にあらかじめ日本語の勉強をしてJLPT N2級程度の実力をつけておくか、東京ギャラクシーで初級、中級レベルで勉強しながら1月または4月までにJLPT N2級の実力をつけた後、大学院進学準備の授業を受けるというのもいいですね。これを機に、なぜ大学院にいこうとしているのか、そして将来何をしたいのか自分で改めて考えてみる機会をぜひ作ってみてくださいね。