大学受験準備のための語学留学、1年は長い?短い?

自分の国で長い間日本の大学に入るために受験の準備をしてきたのに、望む大学に合格することができず、東京ギャラクシー日本語学校で日本語学研修をするか真剣に考える方たちからの問い合わせが最近になってぐっと増えています。
4月に東京ギャラクシー日本語学校に入学して勉強する学生たちは、翌年3月まで1年間、ただ日本語を学ぶだけではなく、受験指導も一緒に受け、大学生活にすぐ適応できるようアカデミック日本語(*以下に説明)も学びます。
入学の問い合わせを受ける中で、語学研修を1年もする必要があるかと疑問に思っている方々が少なくないということを感じました。母国で十分に勉強しており、EJUの点数も決して低くはないために、このような疑問を持つのは自然なことだと思います。
しかし、実際には本国で長く日本の大学入試を準備したとしても、東京ギャラクシー日本語学校での語学研修期間は1年以上必要です。 どうして1年も必要なのか、今日はこの部分を詳しく見てみましょう。

とても慌ただしい日本での受験生活
「1年」と言うと、とても長い時間のように感じられますよね。でも、4月から語学研修を行う場合、実質的な受験準備期間は7~9ヶ月と言えます。
なぜなら、日本の私立大学の場合、願書の受付を8月末からスタートするところが多いからです。あるいは早稲田大学の例をあげれば、6月末までに願書を提出しなければなりません。

大学受験準備のための語学留学

日本の大学に提出する願書書類の中で必ず入っているのは次のような書類です。
✔EJU日本留学試験の成績
✔志望理由書
EJU日本留学試験は、毎年6月と11月、1年に2度に行われます。しかし、6月末から10月の間に願書を受け付ける日本の大学の場合には、その年の11月の試験を受けるのでは遅く、必ず6月のEJUの成績を提出しなければならないということです。
ですから、4月に東京ギャラクシー日本語学校に入学する場合、入学の2か月後に行われる6月のEJUでよい結果を得られるよう、すぐに本格的な受験勉強に入る必要があります。

日本の大学入試を準備する受験生にとって、最大の難関は志望理由書と言ってよいくらい、志望理由書作成は非常に大変なプロセスです。合格するための完成度の高い志望理由書を書くのであれば、内容をしっかり練る必要があるため、時間もかなりかかるということを覚えておかなくてはなりません。
特に志望理由書は、単に文章を書けばいいのではなく、論理的に自分の伝えたいことを文章化する「テクニカル・ライティング」のスキルが必要です。しかし、この論理的な作文能力が不足している学生が多いことも事実です。志望理由書のレベルが高い日本の大学入試では、志望理由書が受験生の選択ではなく、必須であることを改めて強調したいと思います。
東京ギャラクシーに入学すると、4月から志望理由書作成のための授業もスタートしますが、願書の受付が始まる9月~11月になっても、満足のいく志望理由書が書けずに苦労している学生がいるほど、長い時間と努力が必要な作業です。
EJUは練習問題を解けば解くほど結果が出るのに比べ、志望理由書は自分の考えを文章で表現し、先生のフィードバックを受けて修正するというプロセスを何度も何度も繰り返し、長い期間をかけてようやく完成させることができます。
実際に志望理由書を書き、東京ギャラクシーの先生のフィードバックを受けてみると、「語学研修を1年も?」という疑問は無用であったということが分かります。
EJU、小論文、志望理由書を同時にしっかり準備する過程は、時間的にかなりタイトです!その代わりに、日本で過ごす時間をとても充実させることができます。志望理由書を思い通りに書くことのできる段階に到達できば、日本の大学に合格することはもちろん、レポート課題の多い日本の大学生活を充実させるための大きな力にもなるはずです。

大学受験準備のための語学留学

ところで、日本の大学はなぜ、志望理由書を必須とするのでしょうか?皆さんの高校の成績や内申書は、先生や学校がみなさんを評価した資料です。しかし、大学の試験官たちは、みなさんの考えと思いを直接聞きたいと思っています。つまり、志望理由書はみなさんと、みなさんが希望する大学とが直接に意思疎通をすることのできる、唯一の窓口であるということです。大学側はこの志望理由書を通じて、みなさんの考えや印象を把握しようとするということですから、どれだけ重要であるか分かりますね。

日本の大学入試で比率の高い「手書き」
上記で言及したEJU日本留学試験と志望理由書は、どちらも手書きが必要だということをご存じでしょうか。
EJU日本留学試験の日本語科目では、その場で直接作文をしなければならない「技術」領域があります。志望理由書も、各大学の様式に合わせて、コンピューターで入力するのではなく、直接手書きしなければならないケースがほとんどです。
そこで東京ギャラクシー日本語学校の大学入試対策授業では、漢字の小テストを毎日実施したり、作文や小論文などを原稿用紙に書く機会がたくさん与えられます。
達筆とまではではなくても、日本人が読み取ることができ、また真面目さが感じられるような丁寧な字で書くためには練習する時間が必要です。特に中国と台湾の学生を除けば、留学生たちはこれまで漢字を使うことがほとんどなかったため、文字を書く練習をたくさんしなければなりません。
しかし、東京ギャラクシー日本語学校で1年間勉強すれば、作文・小論文の力を伸ばしながら、文字もきちんと書けるようになるので、心配する必要はありません。

大学受験準備のための語学留学

日本での大学生活でずっと役立つ、アカデミックジャパニーズクラス
東京ギャラクシー日本語学校では、4月から12月まで大学入試対策の授業を進めた後、翌年1月から3月まではアカデミックジャパニーズクラスで、日本の大学生活で必要な日本語を勉強します。
ちなみに日本の大学の合格発表は、私立大学では11月末から2月はじめ、国立大学では2月中旬から3月中旬ぐらいに出るところがほとんどです。
1月から3月の間にも、続けて面接の練習、国立大学願書作成などが必要な学生たちは、進学指導の先生から個別指導を受けて、アカデミックジャパニーズクラスで勉強します。
このクラスは、東京ギャラクシー日本語学校の特徴的なカリキュラムのうちのひとつです。このクラスを作った理由は、日本の大学に合格した東京ギャラクシーの卒業生たちが、いざ大学生活を始めると、大学の講義が思っていたよりもずっと難しく感じられたり、日本人の教授、先輩、友達とのコミュニケーションがうまくいかないなどの悩みがたくさん寄せられたからです。
そこで2011年1月にアカデミックジャパニーズクラスを開設し、今では多くの卒業生たちがこのクラスで学んだおかげで、無事に日本での大学生活を終え、卒業にまで至ったという嬉しい声が届いています。
3ヶ月という短い期間ながらも、扱う知識の量や内容の深さは非常に充実したものになっています。

このように、東京ギャラクシー日本語学校で過ごす1年は、とても密度の濃い時間であり、
日本の大学入学から卒業まで、さらには日本での就職など、留学の目標を無事に達成するための実力をしっかりと固める時期です。単に大学合格を目指すのではなく、より遠い未来を見据えて目標を定める受験生に最適の教育環境です。

JLPT日本語能力試験のレベルと実際の日本語能力の違い

まだ日本語の勉強を始めて間もなかったり、あるいはこれからスタートしようとする人たちから、頻繁にされる質問があります。

「日本の専門学校や大学入試要綱を見ると、出願条件に<JLPT N2級以上の実力があること>と書かれているみたいなのですが、国内で日本語の語学学校に通いながらJLPT N2級の試験に合格すればいいのではないでしょうか。どうして予め日本に行って語学研修をしなければならないんですか?」

東京ギャラクシー日本語学校の在学生や卒業生をはじめ、日本人たちと接しつつ、日本社会で生活しながら勉強する人であれば、誰もが「絶対に早めに日本に行った方がいい」と答えるはずです。これからその理由を詳しくお伝えします。

JLPT日本語能力試験は、N1級からN5級までに分かれており、各レベルとも語彙、文法、読解、聴解で構成されています。
問題は全てマークシート方式で、全体で約60%以上(合格点以上)正解し、尚且つ、各科目の基準点を超えることで合格できます。
JLPT日本語能力試験は、外国人の日本語能力を測定する試験なので、実際に日本人が使う日本語と比べれば、決して難易度が高いとは言えません。
特にJLPT日本語能力試験はスピーキングとライティングの試験がないため、日本語力を測定するのには実は限界があるのです。
もちろん日本語を丹念に学習し、各段階別の過程をよく理解しているのか判定する用途としては非常に意味のある試験です。しかし、日本に住みながら日本人と一緒に勉強や仕事をするために要求される日本語の実力としては、まだまだ不足していると言わざるを得ません。
JLPT日本語能力試験のうち、N2級からは中上級(中級後半)の段階に入るため、決して簡単なレベルではありませんが、韓国で一所懸命勉強してN2級に合格した後、東京ギャラクシー日本語学校の入学試験を受けると、中級前半のクラスになるケースが多く見られます。
東京ギャラクシー日本語学校では、レベルテストを通じてリーディング、リスニング、ライティング、スピーキング力を確認するので、マークシート問題では正解しても、直接話すときに誤った表現や文法を使った場合、この足りない部分のレベルをきちんと身につけることができるようにクラスを割り振ります。
このため、自分の予想よりも低いレベルのクラスに割り当てられる場合があります。しかし、これは実はとてもよいチャンスです!抜け落ちてしまっている部分を十分に埋めて次のレベルに移動することができる唯一の機会になるからです。上級レベルに上がれば上がるほど、初級段階の勉強はやりたくなくなるので、早め早めに自分の苦手な部分を克服することが大切です。

JLPT日本語能力試験のレベルと実際の日本語能力の違い

ここまでの話をまとめると・・・
JLPT日本語能力試験で判定された外国人留学生の日本語のレベルと、日本人が判断する外国人留学生の日本語のレベルには相当な開きがあります。
しかし、東京ギャラクシー日本語学校で日本人の先生と一緒に勉強すれば、これまでJLPTのマークシート問題を解く形だけで勉強していたときには身につけられなかった文法、表現力、そして発音やイントネーション、さらに漢字の書き取りの力まで身につけることができます。
このように習得した日本語の力は、日本人と自在に会話し、日本の大学や専門学校で勉強するための大きな助けになります。
日本の人たちは、外国人留学生が違和感なく日本語を使うことで、自然にコミュニケーションをするようになります。そして、このようなレベルに到達するまで多くの努力をしてきたからこそ、みなさんはさらに自信を持って堂々と留学生活を続けることができるでしょう。
残念なことに、自国で勉強し、試験に合格した後すぐさま日本の大学や専門学校での生活に飛び込んだ学生が、実際の日本語でのコミュニケーションについていくことができず、自信をなくして学業に困難をきたす事例も珍しくありません。

JLPT日本語能力試験のレベルと実際の日本語能力の違い

十分に準備が整った状態で日本の専門学校や大学に入学することで、日本だけで学ぶことができる専門知識をしっかり身につけ、日本人の友人たちと多様なシチュエーションで会話をし、コミュニケーションをしながら留学生活を充実させことができるでしょう。
みなさんが日本語を勉強する理由はなんですか?日本語で書かれた本を読んだり、字幕なしでドラマや映画を見ることが目標であるなら、JLPT日本語能力試験の対策を中心に勉強しても大丈夫でしょう。しかし、日本で日本の人たちと肩を並べ、専門知識を身につけたいなら、十分な準備が必要だという点を見過ごしてはいけません。
今はまだ日本語の勉強を始めて間もないみなさんが、これからしっかりと日本語を学び、今日紹介した話に深く共感する段階まで到達した時。それはきっと日本語を用いながら、具体的に未来を準備するスタートラインに立っている時でしょう。外国語を学ぶ奥深さも楽しむことができる段階です。
東京ギャラクシー日本語学校は、JLPT日本語能力試験のレベルを遥かに超えた日本語の授業を行っています。日本で学問及び専門知識を学び、社会人になってもずっと日本に関わる経験を積み重ねていきたいと思っているならば、一番基本の段階である日本語能力からまず、しっかりと築くことが大切です。みなさんの日本語を学びたい気持ち、日本で勉強したいという気持ちを応援しています!