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おすすめ日本漫画『 聲の形』

聲の形 ~新しい言語を始める人に推薦する日本漫画

どうして日本語を勉強しようと思ったんですか?

新しい言語の勉強を始めるきっかけは人によって様々ですよね。
その国の文化に興味があるから、音の響きが好きだから、あるいは就職の役に立つから、という理由のひともいるかもしれません。
さらに、相手の話していることをもっと知りたい、その人に自分の思っていることをもっと伝えたいから、という理由もあるでしょう。
日本人の中にも、自分が好きなアイドルや俳優の言葉を、字幕なしで理解したいから外国語を勉強しはじめた、という人がたくさんいます。

今日紹介するのは「聲の形」という漫画です。
大今良時という漫画家の作品で、2015年に日本の「このマンガがすごい!」という賞で1位を受賞しました。
「聲の形」はアニメーション映画にもなったので、見たひとがいるかもしれませんね。

「聲の形」の主人公である石田将也は、小学生のときに同じクラスだった西宮硝子と話をするために新しい言語を勉強しました。
日本人同士なのになぜ?―――それは硝子の耳が聞こえなかったから。
硝子が使う手話を学び、高校生になった将也はもう一度硝子に会いに行きます。
それは、どうしても伝えたい言葉があったから・・・。

聲の形 ~新しい言語を始める人に推薦する日本漫画

この紹介だけを読むと、感動的な恋愛映画だと思うかもしれません。
絵もとてもきれいで、漫画の表紙を見ると、美しい物語が始まりそうです。

しかし、実際にはこのマンガは可愛らしい絵とは裏腹に、人間の感情の深い部分、私たちが人には見せたくないと思っている醜い部分まで描かれています。
この作品には完全無欠のヒーローは出てきません。
登場人物たちの中に完璧な人は一人もおらず、全員が良い面と悪い面を持っていて、彼らのとても複雑な人間関係が表現されています。
それほど丁寧に、人間の心のあり方を描いているからこそ、感情移入をして見ることができる作品です。
あまりにリアルで読んでいて心が苦しくなることもありますが、だからこそ最後の感動はとても大きいです。
(読んでいて何度も泣きました・・・。)

「聲の形」はぜひ、アニメーションと漫画の両方で楽しんでほしい作品です。
この作品のキーワードの一つは手話ですが、漫画では手の動きをうまく表現することができません。
その分、アニメーションは全日本ろうあ連盟 東京都聴覚障害者連盟 手話あいらんどという団体や多くの人が協力をして、手話を間違わないのはもちろん、そのシーンの伝えようとするニュアンスに合うように、登場人物の目線なども考えられているそうです。

また、耳が聞こえない硝子の役を演じた声優さん自身も、事前に手話について学んだり、聴覚障害のある方たちと交流をしたそうです。
(ですから、アニメを吹替版ではなく字幕版で見る方がよいかもしれませんね。)

映画を見て感動したひとは、ぜひ漫画も読んでみてください。
時間が制限されている映画では表現できなった将也や硝子、他のキャラクターたちのより細かい心の動きが丁寧に描かれています。
日本語を勉強中の人は、ぜひ日本語版を読んでみてくださいね。

東京ギャラクシー日本語学校は将也のように、相手のことをもっと知りたい!もっと伝えたい!という気持ちを持っている人を応援します♪

おすすめ日本漫画『ちはやふる』

日本に興味を持ったきっかけがアニメや漫画だという人は多いのではないでしょうか?
今、日本でとても人気のある漫画の一つが『ちはやふる』です。
ちはやふるは、アニメにもなりましたし、2016年に映画にもなりました。
日本の漫画には「少女漫画」「少年漫画」という区分があり、『ちはやふる』は少女漫画に分類されますが、とても面白いのでこの漫画を読む男性も多いようです。

みなさんは「百人一首」を知っていますか?
百人一首は日本の伝統的なカードゲームと言うことができるでしょう。
『ちはやふる』はこの百人一首がテーマになった漫画です。
主人公の綾瀬千早は高校生で、部活で百人一首をしています。

日本人であれば、小学生や中学生のときに一度は百人一首をやったことがあると言えます。
百人一首の百人は100人、一首は、和歌という日本伝統の詩の形式で、その詩を数えるときに「首」という単位を使います。
つまり、100人の人が1首ずつ作った詩を百人一首と呼びます。

カードは2種類に分かれていて、一方には和歌が1首ずつとその和歌の作者の絵が描いてあります。

おすすめ日本漫画『ちはやふる』

もう一方のカードには和歌の後半の部分だけが書かれています。
和歌の後半部分を下の句と呼びます。

「読み手」と呼ばれる人がカードを読みます。
選手はそれを聞いて、ひらがなのカードを取り、一番多くカードを取った人が勝ちです。
ひらがなのカードには和歌の後半しか書かれていませんから、
それぞれの和歌を暗記していれば、前半部分(上の句)が読まれているうちに、他の人よりも早くカードを取ることができます。

『ちはやふる』はこの百人一首の中で 、「競技かるた」というより激しく競うルールがテーマになっています。
実際の競技かるたのプロの選手は、読み手が最初の1文字を読んだだけで、カードを取ることができるほどです。
時間で計算すると、0.5秒!

競技かるたはその速さ、激しさから、「畳の上の格闘技」とも呼ばれています。

おすすめ日本漫画『ちはやふる』

『ちはやふる』は、百人一首はもちろんのこと、日本の高校生たちの生活についても知ることができますし、何より登場人物たちが一人ひとりとても魅力的で、私もこの登場人物たちと友達になりたい!一緒に百人一首をしたい!と思えるほどです。

日本の伝統文化である百人一首と、新しい文化である漫画。その二つが一度に楽しめる『ちはやふる』。みなさんにもお勧めします!