Tag Archives: 日本の大学

ICU国際基督教大学について

国際基督教大学は、1953年に創立された大学で、英語でのInternational Christian Universityの頭文字を取り、通称ICUと呼ばれています。
規模の小さい大学ですが、国連職員などを含め海外で活躍する卒業生も多く、名前の通り国際的な教育に力を入れている大学です。

ICUには他の日本の大学とは異なった特徴が多くあります。
一つ目は、リベラル・アーツ教育を行っているという点です。リベラルアーツとは、文系、理系の区別なく幅広い知識を得た後に、専門性を深めることで、豊富な知識に裏打ちされた創造的な発想を可能とする教育を意味します。
日本の大学の多くは、入学願書を出す時点で、学部や学科を決めなければいけません。しかし、ICUには「教養学部 アーツ・サイエンス学科」という一つの学部・学科しかありません。
その代わり、米国の大学のように、「メジャー制」が導入されています。1.2年次は自分の専攻を決める必要がありません。高校時代の文系理系関係なく、好きな分野の授業を文学から数学まで履修できます。
3年になると、31の専攻(メジャー)から自分にもっとも合うと思う分野を二つまで選ぶことができます。例えば、歴史と化学など文理関係なく自分が好きな学問をカスタマイズして、専門を深めることもできるということです。

ICU国際基督教大学

二つ目は、学内の公用語が日本語と英語の2か国語であることです。
日本語が母語である学生の場合、リベラルアーツ英語プログラム (English for Liberal Arts; ELA) と呼ばれる一連のクラスを入学から約2年間にわたって履修します。
このプログラムを通して、これまで受験用の英語しか勉強してこなかった学生たちを、英語で論文を読んだり書いたり、またディスカッションができるように育てるためのプログラムです。
留学性や帰国子女に対しては 日本語教育プログラム (Japanese Language Program; JLP) を受講します。日英両語ともが母語でない学生に対しても、一人一人に合った適切な日本語教育プログラムが用意されています。
入学式は4月と9月、1年に2回あり、留学生も世界各国から集まっています。ICUでは、1年次のELA/JLPプログラムを除き、英語で開講されている授業が3分の1ほど、残りの授業が日本語で行われています。

三つ目の特徴は、少人数制であることです。ICUは1学年620人程度であり、教員1人あたりの学生数も18人程度です。教授が一方的に講義をするクラスはほとんどなく、少人数制授業で教授や他の学生と正解が簡単に出ない問題について討議する授業が多いです。必然的に、学生一人一人の発言機会や発表する場面が多く、知識を暗記するのではなく、自分の頭で考える機会多いと言えるでしょう。これにより、周りの人の意見に合わせるのではなく、自分の意見をしっかり主張することができる学生が多いのも特徴です。ICUの学生は個性的な人が多いと言われる理由の一つはここにあるでしょう。
一方で、ICUのキャンパスは学生数に比してかなり広大で、大学内を移動するために自転車を持っている学生もたくさんいます。大学の中に川や森があり、東京都内にありながら、たぬきやアナグマも生息しているほど、自然が豊かです。また、春は人々を感動させるほど桜がきれいです。

ICU国際基督教大学

【4月入学】
WEB出願期間 2020年1月6日(月)10:00 ~ 1月19日(日)
JLPT日本留学試験
「日本語・総合科目・数学(コース1またはコース2)」もしくは「日本語・数学(コース2)・理科(物理・化学・生物から2科目選択)」
【出題言語】日本語
IELTS 5.0 以上、TOEFL iBT 61以上

第一次選考:書類選考
第二次選考:面接
第一次選考合格者に対して、日英両語による個別面接

【9月入学】
2020年2月14日(金)~ 3月12日(木)
志望理由書
JLPT日本留学試験
「日本語・総合科目・数学(コース1またはコース2)」もしくは「日本語・数学(コース2)・理科(物理・化学・生物から2科目選択)」
【出題言語】日本語
IELTS 5.0 以上、TOEFL iBT 61以上

大学受験 願書準備で見落としがちな点、注意点

日本の大学進学に向けて、準備をしている皆さん。思ったより準備しなければならないことがたくさんあり、頭を抱えている方もいるのではないでしょうか。ウェブ出願、志望理由書、書類の書き方、書類の送り方、小論文、面接などなど。特に(母国)に比べると手で書くことが多く、一つ一つ気を付けなければならないことが多いのも例外ではありません。
全体的に気を付けたほうがいいポイントをお知らせします。

一つ目、ウェブ出願のときの情報と提出書類の内容を同一にすること。
例えば、ウェブ出願で出身校を英語で登録し、提出書類では出身校を漢字で書くなどせず、同じ内容については同じ表記にすること。チェックする大学の方が混乱しないためにも、全部統一することをお勧めします。また、写真もすべて同じものを使用することをお勧めします。

大学受験

二つ目、字は丁寧に書くこと。当たり前のことですが、見てもらう人のことを考えて心に余裕をもって作成しましょう。時間が間に合わずぎりぎりになって書類を作成するとどうしても字が流れて見えたり、偏って見えたり、字が抜けていたりすることがあります。何百枚もの書類をチェックする大学の方は、丁寧に書いたかどうかわかります。きれいな字ではなくても大丈夫です。漢字は大きめ、ひらがなは漢字の8割くらいの大きさで書くとより見やすく書くことができます。そして時間に余裕がある人は、日本語のなぞり書きをしたり、書き順を確かめて書くなど基本的なところから確かめて、「丁寧に書くこと」に慣れることをお勧めします。

三つ目、書類に線を引きながら丁寧に読むこと。大学によって書類の書き方や書類の送り方が違います。
例えば、ある学校では指定された用紙を「印刷して封筒に貼って提出するように」と書いていますが、ある学校では封筒に貼らずに「同封するように」と書いてある学校もあります。
名前を書くときに、漢字で書くようにと書いてあっても、日本で使う字が出ない場合はカタカナで書くようにとかっこ書きで書いてあったりと、一つの学校がAのパターンだと言ってすべての学校に当てはまるわけではありません。最後の最後まで読まないと間違える可能性があるので気をつけてください。一度受験する大学の募集要項を全部印刷し、色ペンで最初から最後まで、漏れなく重要事項をチェックすることをお勧めします。

大学受験

最後に、原稿用紙に記入するときです。段落の書き始めは1マス開けること、句読点はマスの左下に入れること(横書きの場合)、「?」は使わないこと、ですます体とだである体をまぜないことなど原稿用紙の使い方を確認しましょう。原稿用紙ではなく、下線のみである場合は、ぎゅうぎゅうにつめて書くのではなくバランスよく書けるよう、鉛筆で薄く下書きをしてから清書しましょう。両サイド、最終行など下線からはみ出さずに、線の中に収まるように調節してください。まれに下線もない場合がありますが、その場合は、等間隔に定規で薄く下線を引いてから、書くことをお勧めします。

これらは日本人が進学するときや、日本の就職試験でも同じことが言えます。少し面倒くさいと思うところもあると思いますが、 落とさなくていいところで減点にならないよう一つ一つ確実にチェックをして、準備を進めていってください。

東京理科大学理工学部合格体験記

東京理科大学理工学部の情報科学科に合格した東京ギャラクシーの卒業生である金○○さんが、東京理科大学に合格できた秘訣と、東京ギャラクシーでの留学生活についてインタビューに応えてくれました。日本での大学進学を準備する方々にいい刺激になりそうです。

1.東京理科大学合格、おめでとうございます。合格のために、今まで東京ギャラクシー日本語学校でどうやって勉強してきたのか教えてください。
日本語は、授業中に毎日聴解問題と聴読解問題を交互に解くので、実戦に大きく役立ちました。EJUの数学と理科科目の授業でも、実戦の雰囲気を感じることができるように問題を解いたので、実際のEJU試験で緊張せずに臨むことができました。
面接対策の授業で実戦面接を練習する時に、先生だけでなく、クラスメートたちも面接官の役割をしてくれます。実際、日本の大学の面接では面接官が3~5人いますが、クラスメートは二十人ほどいるため、思いも寄らないところで反論があったりしました。実際の面接よりもしつこく聞いてくるときもあり、むしろ実戦で「ここで反論が来る」と思った部分で来なかったり、とまどうような質問が来ても、毅然と対処することができました。授業の時は大変でしたが、何回かやるうちに大丈夫になり、実際に日本の大学の面接を受けるときにも、自分がこのような状況に慣れているのだと改めて気づきました。
面接対策授業のうち、面接を受ける回数は学生が自由に決められるのですが、私は計三回参加しました。二回だと足りないと思うので、三回は参加するほうがよいと思います。初回は、初めてのことだけにうまくできるはずがなく、二回目では、初回の時を思い出しつつ補完はできますが、それでも完璧ではないので、三回目まで参加しなければならないと思います。完璧に終えた感じでできなかったとしても、最低三回は面接に参加するのがよいでしょう。もちろん、もっとたくさん、やればやるほど良いです。実際に4~5回参加した友人たちもいました。

東京理科大学理工学部合格体験記

2.東京理科大学理工学部情報科学科を志望したきっかけはなんですか。
中学生のときからコンピューター関連の科学者になりたかったです。また、高校生の時は人工知能の開発に関する研究をしたいと思っていました。そのためコンピューターと関連がある情報科学科を選択しました。

3.東京理科大学に合格した秘訣は何だと思いますか?
正直に言えば、面接を受けて、ダメだろうと思いました。面接官が好きな科目について聞いてきたんですが、予想できなかった質問だったので戸惑ってしまい、普段考えていたことを話しました。数学と物理が好きだと答えたのですが、面接官はどうしてその科目が好きなのか、そして数学で微分と積分の中でどちらの方が得意なのか、さらに聞いてきました。微分より積分が得意だと答えたら、微分に関連した問題を黒板で解いてみなさいと言いました。とても緊張していたのですが、面接官が簡単な問題だから緊張しないでほしいと言ってくれたし、実際その問題はとても易しかったです。でも緊張したせいか、問題を間違ってしまいました。暗算でも解けるくらいの問題だったので、ここで減点されると思いました。でも笑顔をなくさないように努力しました。そして、面接官としっかりとコミュニケーションするように、意見交換する気持ちで面接に臨みました。
日本の大学に合格するための最も大きな秘訣は、やはり自信を失わないことだと思います。答弁の内容も重要ですが、この学生が大学に入学して途中で諦めずに最後までやり遂げられる根気を持っているのかも判断できますし、また、この学生が本当にこの大学に来たいと思っているのか確認することもでき、適当にやるタイプではないか検討するのだと思います。また、返事の内容だけでなく、内面も見るようで、このような点を認識して面接に臨んだことが、合格した秘訣ではないかと思います。

4.東京ギャラクシー日本語学校の先生で、感謝を伝えたい先生はいますか。
全ての先生に感謝していますが、すぐ思い浮かぶ先生が3人います。まず、担任の先生だった海保先生です。私は体力が弱く、朝の授業にも何度も遅れてしまい、出席率がよくありません。もちろん、出席率は90%を超えてはいますが、一定して出席できないときがあります。担任の先生との面談の時に、こんな話をしました。ある意味では言い訳だと判断することもできるわけですが、海保先生は私を理解し、導こうとしてくださいました。だから感謝しています。
次に、面接対策の授業を担当してくださった道木先生に感謝しています。面接に慣れるまで親切に助けてくださり、階段のような所で急に質問をする失礼にもなりえる状況でも、丁寧に時間をかけて答えてくださいました。
進学担当だった樋口先生は、休み中だったにもかかわらず、面接直前まで学校に来てくださり、私を助けてださいました。ラインでも突然質問をしても詳しく答えてくださり、本当に助かりました。

東京理科大学理工学部合格体験記

5.日本留学中の生活パターンを教えてください。
学校まで約1時間30分のところに住んでいるので、電車に乗っている時間が長かったです。この時間を最大限に活用するため、その日その日、化学および数学関連の本を携帯の写真で撮っておき、朝学校に行く電車の中で見て勉強しました。
授業が終わって家に帰ってからは、EJU日本留学試験の問題を解いたりしていたのですが、私は一つのことだけを長く勉強できるタイプではないので、科目別に分けて勉強しました。1時間は読解問題を解き、休んでからまた1時間は数学の問題を解くというような感じで、1日に2科目ずつ勉強しました。ある日は日本語読解、数学を勉強したのならば、次の日は日本語聴解と物理を勉強するというような感じです。そうすれば一つの科目に偏らず、満遍なく勉強できると思ったからです。
土曜日は平日に勉強したことを復習する形で総合的に整理し、分からなかった問題も解いたりしました。日曜日には日本のドラマや映画を見たり、読みたい本を読みながらゆっくり休みました。一日休むことで、次の週もしっかり過ごせると思います。

6.日本での大学進学を希望する高校生たちに、日本に来る前に前もってしておくと良いことについて、アドバイスをお願いします。
まず、日本旅行を短くでもしてみることをおすすめします。インターネットや本で得られる情報は限られていますし、同じものを見ても人によって感じ方が違うので、旅行を通じて直接見て、自分が日本でうまく生活できるか悩んでみたらよいと思います。
日本語はどんな方法でもよいので、自分の言いたいことを話せる程度には勉強したらいいと思います。JLPT試験にはスピーキングがないため、リーディングとリスニングの勉強に集中してしまいやすいので、私は留学する直前に、なぜ日本に来たのか、どんなことを学びたいのかといった質問に答える練習をしておきました。日本に来れば、生きるためにも話すしかなく、自然に会話力が増えるので、自分が言いたいことを練習するくらいでも、ずっと楽に留学生活を送ることができると思います。

東京理科大学理工学部合格体験記

7.後輩たちに、東京ギャラクシー日本語学校を紹介するとしたら、どう伝えますか。
いろんな面で面白い生活ができます。他国の人々と親しくなる機会もありますし。何より先生方がとても親切で、本当に精神的に大変な時、癒されます。日本で勉強も頑張って、友達と楽しく留学生活を送りたいなら、東京ギャラクシー日本語学校へ来てください。

8.これから日本の大学でどんなことを目標にして勉強しようと思っているのか教えてください。
大学院も日本で通いたいので、単位の管理をしっかりやろうと思っています。また、4年の間、奨学金を受けられるように努力したいです。学校生活も頑張って経験もたくさん積みたいので、大学内の交換学生プログラムも利用しようと思います。また勉強もいいですが精神面でも豊かな人になりたいです。

優れたコミュニケーション能力を発揮して、日本での大学受験に関する話を詳しく聞かせてくれた金○○さん、ありがとうございました。日本の生活に慣れたように、日本の大学に行っても望むことを全て叶えることができたらいいですね。新しい大学生活も充実させ、楽しく過ごしてください。 🙂